「誰もそんなに見てないから」は半分くらいウソ



仮に集団内にオヤジギャグ大好きなオジサンがいたとします。

やぁやぁ皆今日もおはよう!
うん私はね、今日も朝起きたらまずおいしい牛乳をグイッと一杯飲んでね、
そう!これが本当のグッ!とモ~にんぐ!なーんつって!牛がモ~ってな!
おやおやそれで?会長さんまだ来てないって?風邪でもひいたかも?
いやぁー大丈夫よ!それどころか神社にでも行ってんじゃない?
なんでかって?そりゃあなんてたって会長さんだもの、
今日も会長さん、快調で元気にご開帳ってな!ガハハハハ!
どうよどうよ今の。俺もまだ捨てたもんじゃないべ?



間違いなくうっとうしい。

こんなんしようものなら
次の日から殆どの人にやんわりと相手にされなくなること受け合いである。
めんどくさいなって。なんかイライラするなって。

仮にこのオジサンが新しく入ってきた人なら疎まれる確率は更にグーンとUPである。
うわぁこの人こんなめんどくさいんだきっついわぁって。
表向きだけ優しく振る舞っとけばいいかって。


人は分からないことを明確にしようとする習性があると思う。
それが自分に関係のあることで、手の届く範囲ならなおさら。

集団の中に素性の知れない人が来たのなら
無意識にでもそれがある程度どんな人か分かろうとするのが人というもの。

良い人なら仲良くしておきたいし
嫌な人ならなるべく関わりたくない。
どっちとも言えないどうでもいい中間の人もいる。
人によってもっと細かい分け方もあると思う。
ただ相手がどの属性寄りの人なのかは明確にしておきたい。

相手は知らぬうちにその振る舞いから周りに何らかの判断を下され
時間を経るごとにその振り分けられた属性の人としての扱いをされていく。

良い人と判定されたらその人から親切にされるかもしれない。
嫌な人と判定されたらその人からは段々と疎遠になるかもしれない。
どうでもいい人と判定されたらそれなりーな普通の関係になるかもしれない。
で、実際そうなっていく。


ここからは残念で自意識過剰な私の話。

その自意識過剰ぶりのせいかちょくちょく「そんなに周りの人は見てないから」なんて言われる。
励ましの意味なのか調子乗ってんじゃねーよバーカという意味なのかは分からないけど言われる。
自分が言われてなくても、世の中の向きとして残念な人に対してそんな感じのメッセージを耳にすることもある。
「誰も気にしてないですよ、誰も見てないですから」。

けれど人は見ているのである。
集団に属する以上、ある程度は解き明かされるのである。
見て、あぁこの痛い子だめだめ関わるのNGみたいな判断を下されて、
色んな人と疎遠になるのである。
原因はそこにある。
もちろん、判断された後は誰も見ていない。

無意識にでも意識的にでも判断をされた後でその人から「そんなに周りは気にしてないから」なんて言われた所で
実際のとこそれは「お前まだいたんだ、どうでもいいけど」というメッセージに近いものがある。
「お前みたいなものはどうでもいいんだからいちいちこっちの視界に入って来ないでね、邪魔なんだから」ってことである。
個人的に、自意識過剰状態になりやすい人はメンタルが超弱いって思ってる。
元々そういう嫌われ者の扱いになるのが嫌だから余計な心配事とかで気を揉んでた所がある訳で。
って言ってももう全て過ぎてるんだけど。嫌われた後だし。ストレスだけがそこにあるんだけど。
あと今はもう誰からも嫌われることは仕方ないなってとこまでは思ってる。
ただ嫌われることにはまだ慣れてない。心が3歳。

世の中でよく言う自意識過剰でおろおろする人は特に人に対して、
これから自分がその新しい集団入っていく時や
新しい局面に突入する時に○○があったらどうしようなんて余計なことを考えてしまう。
その心配は一応正解だと思う。
実際そういう心配する場面での振る舞いは判断の材料にされることが多いから。
だからもしそういう人にプレッシャーを軽減させる意味で「周りはそんなに見ていないよ」って言うくらいなら
その人の心配している場面でとりあえずこうした方がいいんじゃない?って超適当なアドバイスをした方がいいと思う。
それかもう何も言わない。
「周りはそんなに見ていない」は言うくらいなら何も言わない方が良いって思う。
今までこれを言われて助かった思いをしたことがない。むしろそれがプレッシャー。
そもそもそのセリフを言われた方が「そうだよな、周りのことなんて考えたらだめだよな」ってなれる人は元から大丈夫な人ですし。
あとそれが本当は大正解ですし。
自分は自分で人は人。この感覚だよね、大事なの。
いちいち周りの反応だけに気を取られちゃうのは本当にね。
本当はそういう所が悩みの出発点になってるのがもう本当はだめなの。すごく。
だからこそそういうだめな人には周りはそんなに見てないとか言ってあげない方がいいって思う。
どうせ瞬間的に見られてだめだって判断されちゃうんだから。
当初の悩みは解決するどころか深まっちゃうんだから。

でも本当に見てない時もある。
それは自分がモブキャラの時。
別に集団にも属してない時の、ただ外へ行って買い物するとか。そんな時。
そんな時っていうのはマジで誰も見てない。ブリーフ一丁とかじゃなければ。もしブリーフ一丁なら服を着ろ。
だからそういう場面で変に気を揉んでる人には
プレッシャーを軽減させる意味でそんなに気にする人いないからって言ってあげてもいいと思う。

「あー私買い物行くときにこういう可愛らしい格好のがいいのかそれとも無難に落ち着いた服でいいのか全然分かんないどうしたらいいと思う?」
「大丈夫、周りはそんなの全然見てないから。」
あれ、この会話凄くだめだ。
このケース以外の時には多分言ってあげていいと思うんだけど。難しいね。言葉。
誰かを励ますのって本当難しい。
意図した気持ちを意図通り相手に伝えるのって超マジベリハ。


ただあれです、念のために言っておくと
冒頭のダジャレおじさんみたいな人、俺は結構好きです。