目覚めてから数秒ぐらいが一番幸せ



目が覚める。

うとうとして、
さっきまで見てた夢の話が何だったかとか、
ふかふかの布団に抱きついてみたりとか、
さーて今日は何をしようかなって、
暖かい陽気に包まれながら
ぼんやりとした意識の中で考えてみたりする。

それは幸せな幻みたいなもので、
ぼんやりとした霧もしばらくして晴れるとようやく姿が見えてくる。


汚れた部屋には自分が一人いて、
いつも通りの一日が始まったことを意識する。
外からは生活や仕事の音が聞こえてくる。

本当はしたいことも特になくて、何か出来る気もしなくて、
さっきのがいつもの幻であると気付いた頃には頭が重くなる。

そうして目が覚めてご飯を食べて、
最近はゲームをする気力も大して湧かないので、
本当にそのまま二度寝してしまったりする。
ただ、二度寝した後に目が覚めても、さっきの幻は見えない。
あれが見えるのはちゃんと寝た後だけ。


今日も何をするでもなく、ようやくこうして夜がやって来て、
何をするでもなく、ようやく一日が終わろうとしている。
もうすぐ眠れるわけだ。

そうなれば、また目が覚めた時にはあの朦朧とした意識の中でそれはやって来て、
何かふわふわした、小さい頃に戻ったような、
よーし今日も一日が始まるぞ!っていう懐かしい感覚をまとった、
一瞬の幸せみたいなものが味わえるのだ。

今はただその幸せの為に生きているようなもので、
起きている時間は殆ど意味のないものになりつつある。


ここの所は早くワールドカップ始まらないかなぁってそればっかりを考えている。
元からそれだけが楽しみだったので、
明日にでも始まってくれて構わないのだけれどそうもいかないだろう。
しかし待ち続けるのがこんなに大変だとは。

あと二週間そこら、この小さな幸せを頼りに生きていければそれで良い。